見たくない現実
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塩野七生の「ローマ人の物語」を読みましたか?
紀元前のローマの誕生から、紀元5世紀のローマ帝国滅亡までの歴史を全15冊で語っています。
司馬遼太郎好きな方ならば、間違いなくお勧めです。
膨大な資料をもとに、塩野さん独特の歴史観、政治観、人物観が余すところなく出ており、相当分厚い本ですが、飽きることがありません。
特に戦闘シーンは、坂の上の雲のように綿密に再現されており、たまりません。
人物でいえば、やはりユリウス・カエサルでしょうか。
本当にこんなすごい人物がいたのか、と思われるほど魅力的に描かれています。
カエサルは、見たくない現実を見ることができる人だったようです。
この点、塩野さんは強調しています。
確かに、人間ほぼ例外なく、見たくない現実を見ていません。
物事を自分に都合の良いように解釈しますし、都合が悪いことが起こっても無視するか、勝手に自分の都合に合わせてしまいます。
これはほとんど無意識のうちに行ってしまうようです。
しかし、経営者にとっては見たくない現実もしっかりと正面から見つめる勇気が必要です。
業績の悪化や、財務上、労務上の問題は、突然表出するのではなく、必ずその兆しやサインがかなり前から現れます。
ところが多くの経営者は、それを見つけてもすぐに対応策を取ろうとしません。
言わば見たくない現実なのです。
私どもの事務所では、月次で帳簿を締めて月ごとの損益を確定させる月次決算をお勧めしています。
ところが社長によっては、毎月提出する試算表(月次決算書)を業績の良い時は見るけれど、業績が悪くなると見なくなる方がいます。
どうせ今月も赤字だから見る必要はないよ。
これでは、月次で決算を行う意味が全くありません。
少しでもすばやく環境変化を察知して、その対応策を打つ。
そしてその結果を測定する。
経営はある意味、確率の問題ですし、運もあります。
打つ手すべてが当たることもありません。
時には撤退も必要です。
決断の遅れが取り返しのつかない失敗に結び付きます。
これは自戒でもあります。
見たくない現実を見る勇気を持つこと。
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。