通帳は何冊必要か
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今日は、銀行の通帳についてお話をしたいと思います。
最近は、銀行で預金口座を作るのが難しくなったようです。
特に新設法人は、昔は登記簿謄本があれば簡単に作れたと思いますが、今はいろいろ書類を要求され難しくなっています。
また、一つの銀行支店では、かつては何冊でも口座を作れたのですが、最近は3冊が限度のようです。
実は、通帳をうまく利用することによって、経理の管理が容易にできます。
また、融資を受ける際有利な条件を引き出すことができます。
まず、新設法人では業種にもよりますが、通帳を1冊で管理し、会社に現金を置かない方法が便利です。
現金で支払う経費、交通費や通信費、交際費、消耗品費などは、社長、従業員がとりあえず立て替えます。
その経費の合計金額を月に一回、会社の通帳から個人の通帳に振り込みます。
売上金と振込で支払う経費、給与などもすべて一冊の通帳で行えば、一か月の現金ベースでの儲けが通帳の残高に一致します。
しかし、日銭が入ってくる業種、飲食業、小売業、美容室などは、通帳を2冊作って、一冊を売上入金専用、もう一冊を支払い専用に使います。
売上入金通帳の残高が貯まったら、支払通帳にお金を振り替えて支払いを行います。
このようにする利点は、一週間あるいは一か月の売上が通帳を見れば一目瞭然。
日々に売上を分けて入金すれば、レジの売上とのチェックも容易で、通帳を見ることで、売り上げ管理ができます。
よく、売上入金用口座を複数の銀行とくにメガバンクの通帳を準備している会社がありますが、経理の管理の上から言えば煩雑なだけです。
確かに支払う会社からすれば、同じ銀行があれば振込手数料が安くなるので便利ですが、受け取る側からすれば関係ありません。
常に残高管理をする手数を考慮すれば、入金口座は一つ、できればメインの銀行口座にしたいものです。
メイン銀行に売上金を集中するメリットは融資を受けるときに発揮されます。
金融機関は、融資を行う際、預金口座にどれだけ残高があるかを重視します。
特に月末、期末に残高が多い会社を特別に扱う傾向があります。
「この銀行とは、よい関係を築いて、有利な条件で必要な金額を融資してほしい」という考えがあれば、ぜひ売上の入金口座に指定して残高を高めに維持するべきです。
ただし、会社の業績が悪化して、返済ができない状況、しかも銀行から支援が得られないとわかったら、すぐに預金を引き出して別の銀行に移しましょう。
銀行は非常にドライです。
昨日まで支店長が会社にあいさつに来るほど、良好な関係ができていても、不良債権になりそうだと判断されたら、あっと今に預金は封鎖され、貸金と相殺されてしまいます。
そうならないために、銀行の態度をよく見極めて預金残高を管理する必要があります。
通帳の利用は、銀行との付き合い方を考えたうえで戦略的に選択しましょう。
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。