日本の法人税はとても安い?
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日本の上場企業の支払っている法人税はとても安い。
利益に対してどのくらいの割合を法人税等で支払っているかを「実効税率」とよびます。
日本の実効税率は約35%。
今年の4月より若干下げられて約32%になりました。
当然皆さんは大企業がその減税の恩恵を最も受けると想像されるでしょう。
ところが、
現在でも、日本の上場企業の平均の実効税率は20%台です。
ひと言で言えば、「優遇」されているのです。
もちろんこの事実は秘密でも何でもありません。
過去に何度も国会でも問題として議論されています。
しかし経団連は、日本最強の圧力団体です。
日本の国会では大企業に不利になるような「改正」は簡単には通りません。
実は、大企業の実効税率を下げている最大の要因は、「配当所得の益金不算入」という制度。
法人が他の会社に投資をしてその果実である配当受け取っても、原則として法人税が課税されません。
投資先である(例えば子会社)が利益を出せば法人税が課せられます。
配当金は、その課税後のお金ですから、それを投資した会社(親会社)が受け取って課税しては課税が二重になるという理屈です。
なるほど。
しかし私たち個人が、株に投資をして配当がもらえれば必ず所得税が課せられます。
それも問答無用の源泉徴収、約20%が天引きされます。
配当金は、法人が受け取ると課税されず、個人が受け取ると課税される。
大規模でグローバルな上場企業は、海外にも多くの子会社をもっています。
その子会社が利益を生めば当然現地の国で法人税が課されます。
しかし、中国、シンガポールを始め多くの国では外資を誘致するためもあって法人税率を低くしています。
だからトヨタが海外でさんざん稼いで現地国で税金を払っても、その税引後のお金を配当として日本の本社に送金しても日本では課税されません。
その結果、トヨタは全世界の子会社を含めたトータルでみると利益に対して20%程度の法人税しか払わなくて済む訳です。
この「欠陥」は何度も議論されてきましたが、今回の税制改正でもほとんど手つかずです。
恐るべし、日本の大企業。
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。