かつての留保金課税は
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かつて同族の中小企業には「留保金課税」と呼ばれる税金が課されていました。
これは、会社が稼いだ利益に対して法人税を課してさらに残ったお金があった場合に課される税金でした。
要は中小企業の内部留保に課される税金です。
中小企業は、稼いだお金をすべて使いなさいという意図の税金です。
大企業はともかく、財務的に体力のない中小企業こそ内部留保が重要なはずなのにそれを阻止するような税法が不思議でたまりませんでした。
さすがに民主党政権で廃止になりましたが、中小企業の政治力の無さを象徴するような税制でした。
留保金課税という「悪法」の影響もあっていまだに多くの中小企業は内部留保が希薄です。
財務的にいわゆる自己資本が過少な状況にあります。
一方、大企業にはこのような内部留保を制限するような税制が無かったためか、かつてのバブル崩壊後の20年で内部留保の金額は大幅に増加しています。
今や上場会社の内部留保金の金額は、バブル崩壊前の1990年ごろの約2倍、300兆円に達しています。
内部留保を増加させ続けている大企業は容易に銀行借り入れを行いません。
そこで中小企業に借り入れをさせるためにわざわざ「留保金課税」を設けていたのではないかと疑ってしまいます。
その真偽はともかくとして、日本の大企業の内部留保の金額の大きさは「異常」です。
この20年、デフレ社会と言われながらも大企業はしっかり儲けていたことの事実であり、積極的な投資を控えていた証拠でもあります。
日本の景気を本気で良くしたいならば、とりあえず方法は二つしかありません。
ひとつは、65歳以上が保有している1000兆円といわれる金融資産を使ってもらうこと。
そして、大企業が大事に抱えている、300兆円の資金を国内で投資してもらうこと。
しかしいずれも期待が薄い。
お金には「自己増殖」する性質があります。
放っておいてももうけ話があれば誰でもお金を出します。
ところが今の日本には「これっ」という投資先が無いのではないか。
アベノミクスの影響かここ2年で株に投資する個人が増えたようです。
ところが一方では、企業が保有する持ち合い株を今盛んに手放して現金に換えているという話も聞きます。
日本国内で新しい成長産業が興って、その産業にお金がどんどんつぎ込まれるという状況を安倍政権は狙っているのかもしれません。
それが実現すれば最高でしょう。
しかし日本の0金利がその可能性の低さを示しているように思えます。
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。