社長、役員報酬を上げてください

経営者は孤独です。
よほど信頼のおける、後継者と目するN02が育っていれば別かもしれません。
それでもなかなか、腹の底まで打ち明けるのは難しいのではないかと思います。
会社には社長と、それ以外の人種がいるという話を聞いたことがありますが、全くその通りだと思います。
社長は船に例えれば船長さんです。
普段は難破しないようにしっかりと将来を見据えてかじ取りをしなければなりません。
ありとあらゆるリスクを想定して準備しなければなりません。
どれほど注意深く、用心深く経営していても、それでもちょっとした外部環境の影響、リーマンショック、狂牛病、3.11、あるいは業界の法律の改正の影響を受けて、結果,力尽きて沈没してしまうこともあります。
その場合でも、従業員をすべて救難ボートに乗せたのち、時には船と運命を共にするのが社長です。
もちろん社長本人にはわかりきったことですし、その覚悟がなければ勤まりません。
夢を見て起業し社長になったのですから当然といえば当然です。
その覚悟と責任の重さは、はっきり言って従業員には心の底からは理解できません。
よく、会社の財務諸表を社員には公開したくないという社長さんがいらっしゃいます。
売上、粗利までは公開するあるいは、販売費及び一般管理費は総額で公開、中身は非公開という会社も珍しくありません。
その理由として役員報酬が社員にばれてしまうから。
うちの社長はこんなにもらっているのか。
従業員に不満が出るのではないかという理由です。
私は全くナンセンスだと思っています。
社長が従業員に比べて多額の報酬を受け取るのは当然です(もちろん会社が儲かっていればの話)。
ただし社長に浪費を勧めるわけではありません。
たいして儲かってもいない社長がベンツを乗り回す姿は滑稽に見えます。
社長は役員報酬を2千万円でも、3千万円でもとっても構いませんが、必ず将来のために貯金してほしいと思っています。
会社がいざという危機の時、銀行はなかなかお金を貸してくれません。
そこまでリスクは取れませんから。
その時どこの会社でもお金を出すのは社長です。
ある会社での出来事です。
ある理由から、急速な業績不振に陥ってしまいました。
銀行からの支援も断られてしまいました。
その時社長は、社員全員にアンケートをしたそうです。
業績改善のためのアイディアを出してほしいと。
回答のほとんどが、「社長の報酬を減額する」だったそうです。
悲しいじゃありませんか。
しかしこれが現実だと思います。
会社には利益を残しつつ、社長もしっかりと報酬を受け取ってほしいと思います。
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。