起業・会社設立時から創業3年未満の社長を徹底サポート。会社設立・創業融資・助成金・税務相談・経理代行・記帳代行・決算対策をトータルで提供する、それが千代田区会社設立&開業相談センターです。
税務調査において、税務署の調査官は一体何を調べているのでしょうか。
税務調査で調査官が最初に調べるのが「期末」「期初」の「売上」と「仕入」です。
特に調査での指摘事項で一番多いのは下記の2つです。
予想以上の利益が出たとわかり、慌てて売上や売上原価を調整しても、税務調査では、まず
間違いなくバレます。
次に、金額の大きい「領収書」がチェックされます。
1枚で200万円もの領収書があれば、100%疑われます。場合によっては「半面調査」が行
われます。「半面調査」とは、領収書を発行した会社に対して「本当に支払いがあったかど
うか」を調べるものです。虚偽はすぐバレますので「カラの領収書」は絶対に止めましょう。
特に小売業や飲食店のような「現金商売」の場合、「現金の取り扱い」を中心にかなり細かく見ています。
「前期から大きく変動している勘定科目」も必ずチェックされます。
例年なら年100万円程度であった「接待交際費」が、翌期は5倍の500万円の場合は「本当
に接待や交際があったのかどうか」が疑われます。接待先やお店にも問い合わせが行きます
(反面調査)ので要注意です。
社長などの役員の個人的な支払いも厳しくチェックされます。
これらは主に領収書からチェックしていきます。領収書の日付が休日のものは要注意です。
「なぜ休日にお客様を接待するのですか?」という質問がされます。
最後に「役員退職金」「貸倒損失」などイレギュラーな多額の経費も必ずチェックされます。
などが問題となります。いわゆる「貸倒損失」は、税法で厳しい基準が設けられています。払ってくれないからと言って、売掛金を勝手に貸倒れ処理するわけにはいかないのです。
また、基準に従って貸倒れ処理する場合でも、勝手に利益の出た年に処理できるわけではなく、「貸倒れた年」に損金として処理しなければなりません。このように、税務調査では必ずチェックされるポイントがあります。逆にこのようなポイントさえ押さえておけば税務調査は怖いものではありません。
当センターの税務調査対応サービスでは、事前準備の際に、上記のポイントで指摘を受けそうな点をあらかじめ整理し対策を練っています。
経費として主張すべき点は主張する。明らかに誤った処理であれば最小限に食い止める。したがって調査当日は慌てることもなく、調査官の質疑に対して有利な交渉をすることが可能位なるのです。
税務調査が決まったお客様から必ず聞かれるのが「何かお土産を用意しておいた方が良いでしょうか?」、という質問です。
「お土産」とは、手ぶらで帰れない税務署の調査官に、早期の調査終了を促すため、負担にならない程度の税金を払う目的で、あえて小さな不備を用意しておくことを指します。
私たちは「必要ありません」、とお答えしています。
なぜでしょう?実際にお土産が準備されていると調査が早めに終わるのは事実です。
ではなぜ?少しご説明しましょう。
国税庁は否定していますが、税務調査にもノルマがあるといわれています。まず件数です。半年間で1人何件と目標が与えられます。これは必ずクリアすべき目標です。そしてもう一つが追徴税額です。民間の営業マン同様、何日も成果ゼロが続けば上司や同僚から冷たい視線が気になります。はっきりと「ノルマがいくら」と決まっているわけではありませんが、「自分の年収分は最低でも徴収しろ」という暗黙の了解があるようです。
年収500万円の調査官であれば、月額50万円程度でしょうか。月に4件担当するならば1件当たり15万円程度の税金を追徴すれば足ります。税務調査はどの経営者にとっても嫌なものです。
「早く帰ってくれるならば15万円程度の税金は払うよ」という社長もいます。
しかしはっきり言いますがその必要はありません。税務調査に来る調査官の第一のノルマは「件数」です。調査官は調査が必要以上に長引くのを嫌がります。早く決着しなければ、次の調査に移れないからです。したがって意味のない妥協はするべきではありません。もちろん「黒」は「黒」です。非があれば認めざるを得ません。
しかし「グレーゾーン」は調査官も強くは主張しません。したがってお土産を前もって用意する必要はありません。「申告是認」を目指して頑張りましょう。
税務調査において、「明らかな間違い」はまず問題にはなりません。たとえば「金額を間違って記帳していた」「売上伝票が漏れていた」「源泉徴収を忘れていた」などです。間違いが明らかなので争いようがありません。どんな優れた税理士でも「なかったこと」にはできません。「ごめんなさい」をして、「修正申告」をするしかないのです。
問題になるのは、「解釈」「判断」が入るようないわゆる「グレーな分野」です。例えば、税法では、「過大な役員報酬は会社の経費にならない」としています。歯止めをかけなければ、高い法人税を免れるために、社長が自分の役員報酬を高くして税金を調整してしまうからです。
しかし、「その役員報酬は高すぎるか?」については具体的な基準は明示されていません。税務署は、「同規模の同業他社の平均に比べて高い」などと主張してくるのですが、もちろんそんな法律はありません。会社にはそれぞれ個別の事情があって役員報酬を決めていますから、納得がいかなければ当然争いになります。
そのような時、たちの悪い調査官は、「修正申告しなければ、重加算税を課しますよ」とか、「青色申告を取り消しますよ」、あるいは、「毎年税務調査に来ますよ」など脅してくることがあります。もちろん屈する必要など全くありません。「役員報酬が高すぎる」というのであれば、それを立証する責任は税務署側にあります。
このような場合、「指摘事項には納得できないので修正申告には応じられません。更正(処分)をしてください」とだけ言えばよいのです。「更正」とは、税務署が税務署長の権限で行う「税金増額」の処分です。
さて、最近の法改正では、税務署が納税者に不利な処分(税金の増額など)をする時は、その理由を「必ず書面で説明」しなければならなくなりました。「更正処分」は国家権力の行使なので、従来も税務署内で面倒な手続きを経なければならなかったのですが、今回の改正でさらに面倒になったのです。
これは税務署側にとってはかなりの負担です。「平均的な会社の役員報酬に比べて高い」などはそもそも「理由」になりません。根拠条文を記載するのは当然ですが、さらにその条文を適用することに対して「誰もが納得できる具体的、かつ合理的な理由」を記載する必要があるからです。
このように税務調査で指摘されたら、堂々と反論するのが鉄則です。後ろめたくなければ、修正申告には応じないで「更正してください」で終わりです。たとえ更正処分になっても加算税を含めて納める税額は変わりません。
その後、税務署から何かしら不利な取り扱いを受けることもありません。必要以上に税務調査を恐れて「無駄に」税金を納める必要はないのです。その費用が経費なのかどうかを判断するのは、実は税務署ではありません。そう社長、あなたなのです。堂々と主張すべきは主張しましょう。