中小企業金融円滑化法が終わりました
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中小企業金融円滑化法が終わりました。
いわゆるリスケジュール法です。
この法律のおかけで、企業は銀行借り入れの返済を猶予され、金利のみ払えばよい状態が数年続いてきました。
銀行借り入れしている会社の5社に1社が利用しているというから非常に影響力の大きい法律です。
リーマンショック後、3.11の東日本大震災を経ても企業の倒産件数が増えなかったのは、この法案のおかげといわれてきました。
民主党政権が終わりをつげ、自民党政権に代わると同時に、延長を続けてきたこの法律も終焉を迎えました。
リスケを受けている会社の社長はかなり不安になったのではないでしょうか。
しかし、リスケ法が無くなったからと言って、いきなり銀行が債権の回収に走るということはなさそうです。
せっかくアベノミクスのおかけで、景気が上向いているのにいきなり銀行返済が困難な中小企業がバタバタと倒産したのでは意味がありません。
当面は自民党政権も行政指導を行って、事実上リスケは継続されそうです。
しかし甘く見るのは禁物です。
生き残れるか、否か。
金融庁は、リスケを行っている会社に改善計画を作成することを求めてきます。
もちろん計画を作って終わりではありません。
いわゆるモニタリングといいますが、会社の業績が改善計画通りに改善しているかどうかを銀行が毎年チェックを行います。
業績が回復しない企業に対しては、最後通牒、すなわち一括返済を求めてきます。
もちろん返済できないわけですから、会社は解散。売却できる資産はすべて処分して借り入れの返済にあてるということになります。
それでも借入金が残ったら、個人保証を行っている社長が自分の資産を処分して返済することになります。
それでも返せなければ、自己破産です。
考えたくはない最悪の状況です。
そうならないためにも、リスケを受けている会社の社長は、頭を雑巾のように絞りに絞って生き残りのための戦略を練らなければなりません。
他人本位の景気頼みはまずありえません。
今後、一時的な好景気はある程度続くかもしれませんが、長期的に続くことはあり得ませんから。
さらに今後はお付き合いする金融機関も選ぶ必要があります。
かつての護送船団方式はもうありません。
金融機関も完全に格差が生じて言います。
体力のある金融機関と体力のない金融機関では、今後明らかに経営姿勢が異なってきます。
体力のある、すなわち自己資本の厚い優良な金融機関は、すでに危ない貸し出しに対しては十分な引き当て、すなわち償却を済ませていますから、無理な取り立てはしません。
一方、体力のない金融機関は、必死です。
今以上に不良債権を増やすわけにはいきません。
通常の返済に戻すよう要求してくると思われます。
もちろん新規の融資にも相当慎重になるはずです。
お付き合いしたい銀行はもちろん業績のいい、経営基盤のしっかりした銀行です。
リスクを取りたがらない銀行とはお付き合いできません。
われわれ中小零細企業は、しっかりとした戦略にのっとった事業計画を作成して、経営のしっかりした金融機関と付き合っていきましょう。
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。