不良債権を処理するには
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![51461029[1]](https://www.umegawa.co.jp/magazine/wp/wp-content/uploads/2016/07/514610291-1-757x505.jpg)
お客様の決算書を見ると数年前の古い売掛金が載っていることがしばしばあります。
確かに、何度も催促しても一向に支払ってくれない「不良債権」は気を付けていても一定の割合で発生するものです。
債権の金額にもよりますが、督促する手間も費用もばかになりません。
弁護士に依頼して法的な手段をとっても相手に資産が無ければ一円も回収できません。
費用だけが多額にかかって徒労に終わってしまいます。
このような不良債権は、できれば早めに貸倒れとして損失処理するのが法人税の節税にもなりますし、消費税も控除ができます。
その上、バランスシートもスマートになります。
回収できない不良債権をいつまでもバランスシートに載せておくのは目障りではありませんか?
ところが、日本の税法では、不良債権を損金で落とすには厳格な要件を定めています。
例えば、相手が会社更生法や民事再生法の決定を受けているか、財政状態が悪化して債権の全額が回収できないことが明らかな場合、さらに債務超過の状態が続いていてこちらから債権放棄をした場合などです。
しかし、現実問題として、経営状態が不振でも法的な整理手続きを取る会社は稀ですし、相手の財務状況を知ろうにも決算書を公開している中小企業などまずありません。
そこで、税務署の通達では、一定の要件を満たす事実上の不良債権については損金に落とすことを認めています。
その要件とは、
「売掛金などの債権が滞って取引を停止した相手が一年以上弁済しない場合」です。
通常、取引の相手が代金の支払いを滞れば当然取引はやめにします。
最後に入金があってから、一年が経過すればいつでも売掛金を損金で処理できます。
ただしその場合、備忘記録として、売掛金を1円だけ残しておきます。
これは、債権放棄をしたわけではないので、もし将来その債務者が代金を支払ってきた場合に売掛金の存在を忘れずにしておこうというものです。
貸倒れ処理はもちろん債権を放棄したわけではないので、督促をつづけた結果何年か後に弁済されれば当然受け取ることができるわ出です。
この「一年ルール」はとても要件が明快です。
相手が法的な手続きにより整理する必要もないし、債務超過の状態を確認するために決算書を入手する必要もありません。
とにかく一年支払いが無ければ貸倒れ処理できます。
期末で余分な資産を購入して節税するよりもよほどお得です。
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。