会社を分社化してみたら
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誤解を恐れずに言うならば、中小企業がある程度の規模になってそこそこ儲けが出ていたら、会社を複数設立してそれぞれの会社が業務を分担することがお勧めです。
理由は、会社を事業ごとに分けることにより、組織の肥大化を防ぎ、損益を明確化し経営幹部に経営者としての自覚を促す、独立採算を徹底化するなどです。
が、実は会社を複数に分けると、節税上も素晴らしい効果が期待できます。
まず、法人税は中小法人の場合、800万円以下の所得に対しては15%の軽減税率が適用されます。
800万円を超えると、適用される法人税率は25.5%ですから軽減税率による恩恵は、84万円にもなります。
軽減されるのは、法人税だけではありません。
法人事業税も同様の軽減税率がありますので、合計で約100万円の減税効果になります。
ということは、
単純に課税所得が、1,600万円以上の会社であれば、会社を二つに分けてそれぞれ所得を800万円に分散すれば、100万円の節税効果があります。
さらに、新会社を設立するのであれば、原則1年目と2年目は消費税免が免税になります。
資本金一千万円未満の新設法人であれば、たとえ初年度から売上が1億円あろうが、100億円あろうが免税です(ただし2年目は課税事業者になる可能性が高いですが)。
消費税の免税効果は、設立1年目(あるいは2年目)のみの特例ですが、売上規模によってはその節税効果は無視できません。
さて、それでは節税を目的に第二会社を設立し、単純に営業の一部を譲渡すればそれでOKでしょうか。
残念ながら、日本の税法は「節税」を一切認めていません。
節税目的で、新会社を設立して利益を分散したという判定が税務署からなされれば、「行為否認規定」により課税される恐れがあります。
脱税の悪意があったとみなされれば、「仮装・隠ぺい」であるとして重加算税を課されるかもしれません。
冒頭でも述べたように、会社を分ける理由は、あくまでも組織の肥大化を防ぎ、損益を明確化し経営幹部に経営者としての自覚を促す、独立採算を徹底化するなどです。
例えば、取扱商品別、販売地域別、購買層別、あるいは仕入部門と製造部門、販売部門などに会社を分けるのが合理的です。
経営目的で会社を複数に分散することにより結果として節税効果が生まれてもそれは「脱税」とは言いません。
しかし、会社の分散はメリットばかりではありません。
各会社は独立した法人ですから、それぞれ管理機能を持つ必要があります。どの程度の管理コストが増加するか。
コストの増加も考慮しなければなりません。
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。