経理の仕事、今、昔
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私が会計業界に身を置くようになったのは20年近く前のことです。
会計事務所の業界なんて100年も前から何も変わっていないのではないかと思われるかもしれません。
確かにほかの産業に比べれば変化の少ない業種です。
しかも、しっかりとお国から資格という壁で保護されている業界です。
他業種からの新規参入も限られています。
ところが、内部的には大きな変化が起きてきました。
一番はITの発達だと思います。
かつて30年前、私は銀行で経理の仕事をしていました。
集計はコンピューターではありませんでした。紙と電卓で集計です。
預金や融資、為替など各係から一日の取引が伝票で集められ、それを日計表と呼ばれる残高試算表に集計し、ぴったりと貸借が合えばOKです。
一円でもあわなければ夜中まで残業して間違い探しをしたものです。
私が勤めていたのは(今は破綻しましたが)列記とした一部上場の銀行です。
それでもすべてのシステムがIT化されたのは、それ以降のことです。
同じことが一般企業でも起こっています。
かつては、会社の経理といえば専門職です(今でも上場企業ではそうです)。
そろばん片手に、あらゆる帳簿をびっちりと記帳する。
どこかの数字が変わると連動してどことどこが変わるかが一発で分かる。
社長でさえ、経理の仕事には一言も口出しができない。
一種の聖域的な仕事でした。
それを指導するのが会計事務所であり、専門の経理職員がいない場合は、伝票だけを記入してもらい、会計事務所の専用オフコンで帳簿を作成したものでした。
会計事務所は、会社の聖域を担っており、会計事務所抜きには経理も税務も成立しない時代です。
ところが時代は大きく変わりました。
経理専用のオフコンは20年前確か500万円くらいだったと記憶しています。
ところが今や経理専用機を使っている会社は稀です。
量販店で20万円も出せば立派なパソコンと、ちゃんとした会計ソフトが購入できます。
会計ソフトも年々進歩しています。
つい数年前までは、なつかしいDOSの画面で入力するものもありましたが今では全くの素人でも大した苦労なく入力できます。
ソフト会社のサポート契約に入れば仕訳の仕方も教えてくれますし、ネットで検索すればたいていのことはわかります。
このような時代、会計事務所と顧問契約を結ばない会社が増えているのも理解できます。
また、会計事務所の地位が相対的に低下し、それにつれて顧問料の相場も低下しているのも仕方のないことです。
会計事務所のお客様が減ってきているのは、単に会社の数が年々減少し、一方税理士登録者は年々増加していることのみが原因ではありません。
会計事務所の役割自体が明らかに時代とともに変化しています。
単に会計帳簿を作成して、税金の計算をするだけでは高い付加価値は得られません。
どの業種も同じです。
ユーザーのニーズを的確にとらえて、リーズナブルな価格でサービスを提供しなければ今後、会計事務所は生き残っていけないと自戒しています。
ちなみに私ども事務所では、経理の代行を一つの目玉商品としています。
確かに経理業務はITのおかげで、だれでもできるようになりましたが、やはり誰にでも任されるような業務ではありません。
今日入社した、まだよく分からないパートさんに会社の大切な銀行印鑑を預けることはできません。
と言って、社長がすべてをやるのはあまりにも時間の無駄です。
社長は社長の仕事をしなければ会社は絶対に成長しません。
ぜひ、一度ご検討を!
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。