その不動産買いますか
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先日ある経営者から相談を受けました。
結構儲かっている会社の社長です。
「会社で不動産を購入しようかと思っているのだけど。」
なぜですか?
「だって、毎月高い賃料を払うより不動産を買ってしまえば資産になるし、銀行融資もうけやすくなるのでは?」
とんでもないことです。
私は即座に反対しました。
確かにかつては銀行は不動産担保を重視しました。
不動産の将来の値上がり益まで見込んで融資をしたものです。
たとえ本業が「赤字」でも。
土地は値上がりすることはあっても値下がりすることはない。
いわゆる「土地本位制」ともよばれる土地神話です。
しかし今時そのようなことを信じている銀行はありません。
不動産は購入した時から値下がりするもの。
よほど東京都心の優良物件を除けば長い目で見て値上がりが見込める物件などまずありえないでしょう。
銀行の評価も、購入価額(簿価)が一億円の不動産は、せいぜい5千万円くらいの評価でしかありません。
一方、ローンで不動産を購入していれば、ローン残高はその金額が「負債」そのものです。
銀行が不動産を所有する会社を「信用する」など時代錯誤もはなはだしいのです。
銀行の会社に対する、評価は経営者の思いとは逆に下がる可能性が高いのです。
しかも固定資産を購入すると固定資産税が毎年かかります(1.4%)。
一億円の評価額ならば140万円の税金です。
これは安くありません。
しかも当然ながら修繕費は自前です。
事業を行う会社は事業のために最低限必要なだけの資産を持つようにしましょう。
余分な資産は、即「不良資産」になってしまいます。
シンプルな貸借対照表がベストです。
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この記事の執筆者
梅川公認会計士・税理士事務所 所長 梅川貢一郎
東京都千代田区を中心に活動。得分野は会社設立を含めた起業支援、創業融資、および創業期の企業向け経理・税務・会計サービス。